セミナーレポート

急成長するLINEのEC事業「LINEデリマ」「LINEショッピング」

2月7日に開催した『LINE Biz-Solutions Day 2018 Spring』のセッション内容をご紹介します。

LINEプラットフォームのさらなる活用―Research & EC―(後半・EC編)

登壇者:LINE株式会社 O2O事業室 マネージャー 藤原 彰二

こんにちは、LINEの藤原です。今日はLINEのECの中で2つのサービスを紹介させていただくのですが、メディアによく取り上げていただいているのが「LINEショッピング」というサービスです。公式アカウントをフォローしていただくと、LINEショッピングでどのようなキャンペーンを行なっているのか、ビジネス側向けの情報も随時届きますので、興味のある方はフォローしていただければと思います。

少し簡単に自己紹介をさせていただきます。LINEショッピングとLINEデリマの2つを受け持ち、運用しています。今日はおそらくマーケッターの方が多いと思います。私もマーケティング出身なので、ビジネス構造自体は少しマーケティング寄りに作っています。

20代女性利用者が多いデリバリーサービス「LINEデリマ」

リリースのときにはLINEデリマを強く推していたのですが、このような場ではお話することがあまりなかったので、今回が実は初出しなのではないかと思っています。1つ目のLINEデリマは、全国14,000店舗のフードメニューをLINEアプリ上から手軽に検索・注文することができるデリバリーサービスというものです。現状の進捗としては毎月2桁成長をしています。これはIR上でも公開していますが、サービスをリリースした当初と比べ、流通額は既に5倍以上になっています。

特徴としては、デリバリー市場では比較的女性ユーザーがターゲットであったりするのですが、20代のユーザーが少ないということが現在のデリバリー事業全体の課題でもあります。ですが、LINEデリマに関しては、LINEのプラットフォームに乗っているということもあり、20代のユーザーが一番多く、男女比率では女性ユーザーが全体の7割となっています。

現在はLINEデリマのサービス形態はデリバリーだけとなっていますが、今後は「位置情報×EC」という領域をもう少し広げ、例えばドラッグストアから薬が届くとか、テイクアウトで物を取りに行けるなど、そういった「位置×EC」という領域により特化して行こうと思っています。

LINEポイントがもらえるお得なショッピングサイト「LINEショッピング」

LINEショッピングの話になります。LINEショッピングをご存知ない方には、ショッピングモールなのではないかとよく勘違いされるのですが、LINEショッピング経由で様々なオンラインショップのサイトを訪れて買い物をすると、いつものショッピングがよりお得にできるサービスというものです。しかも掲載されている全商品の検索・比較ができるので、各サイトから商品を比較する時間が短縮できるというところでも、「いつもの買い物を、いつもよりもお得に」というコンセプトとなっています。

通常、例えば楽天さんであれば楽天ポイントしかもらえないものが、LINEショッピングを経由すると、通常の楽天ポイントがたまるとともにプラスアルファでLINEポイントがもらえます。ですので、経由しない意味が正直言ってあまりないという、ユーザーメリットが高い商材です。

これはどういう話かというと、検索エンジンで考えてみていただくと、通常Googleを経由して楽天などを検索した場合、楽天さんは当然Googleに広告費用を支払っています。われわれも同じような形でその一部をユーザーに返しているというモデルになっています。

もうひとつは、同じ商品があった場合に比較する機能です。どこのショップで買った方が高いのか、ポイントがどれくらい付くのかとかいうことをその場で比較できます。

こちらもLINEデリマとほぼ同じような推移で、6月15日、去年のLINE CONFERENCEの発表以降、2桁成長で伸びています。現在は会員数が1500万人を突破し、MAUは1000万を超えるほどまでに成長しています。

LINEショッピングの特徴

若年層のボリュームが大きい


特徴はほとんどLINEデリマと一緒なのですが、少し面白いところをここに示しました。オレンジが日本の総人口、緑がLINEユーザーをグラフ化しています。デモグラフィック的に、日本の総人口と比較して、LINEショッピングに訪れているのは若年層の方がボリュームとして多いというところが、他のECサイトさんとはかなり違った特徴です。

マーケティングの集客方法が変化

集客にも特徴があります。私は元々ECのコンサルをしておりましたが、上が今、一般的な各EC事業者様が集客している大体の流通の比率になっています。

1点目の特徴が、従来のECのメイン対策はリスティング広告などだったのですが、現在の伸び率でいうと来年はおそらくLINEショッピングの流通比がEC系のリスティング広告の流通比を超えていきます。LINEショッピングがリリースされるまでは、リスティング広告やレコメンド型の広告媒体への出稿がEC系の主流マーケティングでしたが、来年頃からは「LINEショッピングに出店した方がいい」というような話がどんどん世の中に出てくるのではないかなと思っています。

新規率が高い

2点目、これが最大の特徴だと思っています。LINEショッピングは各EC事業者様から掲載をいただいているのですが、今一番言われていることが、新規率がものすごく高いということです。各社の集客トラフィックソースがどこにあるのかを見ると、LINEショッピングはLINE内のトラフィックが多いので、集客が被っていない上にダブルコストにならず、新しいユーザーが来るということが特徴になっています。

LINE内トラフィックのひとつは、LINEショッピングの公式アカウント1700万人(*1)の友だちに対してプッシュ通知を送っているもので、これが大体34%です。次に、「ショートカット」といって、実質アプリをダウンロードしたような形でショートカットのアイコンを押すとLINEショッピングに飛ぶ形の流通が26%(*2)あります。また、LINEの一番右側にある「その他」と書かれた「モアタブ」というボタンからの流通が20%(*3)あります。

われわれも当然リスティング広告を出していますし、DSP周りも若干出していたりするのですが、その流通額は0.1%なので、各企業さんが出稿しているものとほぼ被っていません。それが弊社の特徴になっています。

(*1~3)2018年2月7日時点。

新規ユーザー獲得に強いLINEショッピング

続いて、先ほどもお話しましたが、私がマーケティング出身なので、今、各社さんがどういう動きをしているのかというところを出させていただきました。

基本的には、広告の概念で言うと、リターゲティングなどの効率がすごく良くなったことによって、既存顧客に向けて広告を打つ機会が増えており、リスティング広告の一般キーワードは出稿しない企業が増えています。そうすると何が起こるかというと、新規ユーザーが入らなくて、ずっと既存ユーザーばかり回すことになります。そのため、どこかしらで新規を取りたいというニーズが非常に多いです。

効率化を求めるあまり、ここに注力してしまっている企業が非常に多いです。これは難しい話なのですが、現場は効率化を求められるけれども、経営者からすると新規が入っていない方がリスクが高いということがあって、現場と経営者層で見える数字がある分だけ差が出ているという形です。

下の図はECの課題です。新規のユーザーを取ろうとするとCPAが悪いため広告の担当者は掲載できない。しかしLINEショッピングは集客が被っておらず新規ユーザーが多いということで、現在いろいろな企業様の課題に応え始めています。

EC業者さんでなければ関係ない話ですが、ECのトレンドについて、実は今まで誰もきれいにまとめていなかったなと思い、今回私が少しまとめてみました。

見ていく軸として、「モール」「業界ニュース」「オウンドメディアのニュース」がありますが、これを当てはめて何が分かったかというと、真ん中あたりのころから「既存顧客をどうやってリテンションさせるか」というような施策が走り始めました。

今までECでは、楽天や、Yahoo!ショッピングに掲載したりするなどが主流な対策だったのですが、そうすると受け取った個人情報を2次利用やリテンションに使えません。そこで、皆が自社顧客情報の獲得を始めたのがちょうど2010年ぐらいからで、現在7年ぐらい経っています。

簡単にいうと、マーケティングオートメーションが始まったので、自社で顧客を受け取りましょうということが始まりました。「LINEショッピングを新規が取れるようなメディアにしたい」というところからビジネスコンセプトが始まりましたが、顧客のニーズがまさにLINEショッピングで新規ユーザーを獲得してくれるということです。

あまりECを強化しない企業様の事例ですと、新規率68%が最高で、知名度の高いアパレルなどでは大体新規率40%が出ています。平均的には20%超えになっています。ちなみにサーチの場合は新規率で10%ぐらいなので、比べてみれば既に2~3倍の差が付いているので広告予算はわれわれの方に一部寄ってきています。

LINEショッピングの将来

ここまでがビジネスを始めたコンセプトと今までの経過についてのお話でした。今後はわれわれがO2Oプラットフォームを目指そうと思っています。ショッピングというのは、Webだけで買うものではなくて、LINEショッピングという名前を付けた理由はそこなのですが、オフラインでも買うということを実現させたいと思っています。

ひとつはUIとUXがポイントになります。LINEというプラットフォームで位置情報を取れるので、価格、もらえるポイント、リアル店舗までの距離、在庫などはLINE@で連携していきます。さらに、初回購入でクーポンを付与するという情報と連携したり、口コミやレビューなどを見られる形にしていこうと考えています。具体的な図がこちらです。

次の図は、商品比較などを示しました。

この図では全部同じポイント数になっていますが、例えばB社の商品価格、店舗情報、クレジットカードが利用できるかなどの情報を取れるようにしようと考えています。こうすることによって、今まではポイントによって優位性があったものが、「店舗情報があるからLINEショッピングで検索する」というユーザーが増えることを見込んで作っている機能です。また、店舗に誘導しなければいけないので、店舗が地図上でどこにあるのかを表示するようなことも準備しています。

レビューについては新たな方法を考えています。本当にその人がその商品を買ってレビューを書いているのかが分からないということがあると思います。例えば、食べログさんなど、私もこの間見ていたのですが、「明らかにこの人はこの店に来ていないでレビューだけ書いているな」という方がいます。きちんとその店舗で購入したかどうかのエビデンスを含め、レビューを書かせるような仕組みを一部検討しています。

LINEの顧客IDデータベースで来店計測

オフラインのプラットフォームになっていく上で、計測方法のひとつに「来店計測」があります。ECの場合、小売店は店舗誘導するだけではお金にならないので、購買を促進するようなモデルにしたい。

これは特許出願していて、ローンチのタイミングから進めている内容で、今までほとんど公開してこなかった情報です。

共通のバーコードはPOSデータで大体読み込むことができます。その発番をLINEから行ない、どのLINEアカウントで共通バーコードを発行したかわかるという、LINEの顧客IDデータベースというものを作りました。買い物中にバーコードを店員さんに見せるだけで、企業からフィードバックされるとLINEアカウントでいくら購入をしたかが分かり、ポイントバックをするような形になっています。

As-Is、To-Beで言いますと、今までは会員証を作ろうと思ってもコストが掛かっていましたが、共通コードが読めることでコストが掛かりづらくなることを実現できました。

あとは、来店のインセンティブを与えるだけでは好ましくないという状況の中で、購入を促進するようなモデルは、多分世界でもやっていないところです。ここをわれわれがチャレンジしていかなければいけないところかなと思っています。

現時点の仕組みで言うと、LINE公式アカウントのリッチメニューを押すと、会員バーコードが出てきて、これを会計中に店員に見せます。すると事後に通知が来て、「あなたは本当にここで買い物をしましたか」と表示されます。それを確認して同意すると、購入した金額に応じたポイントがもらえるという形になっています。

プッシュ通知でユーザーの購買を促進

ECではユーザーにプッシュしていかないと売れない。これが最大の特徴になってきます。LINEショッピングでは、ユーザーが通常のECで何を買っているかというデータを見ます。ユーザーが半径30km以内にいて商品を買うときには、自動的に判別をして店舗からプッシュ通知を送りユーザーの購買を促進します。ショッピングモールなどに入ったタイミングで位置情報が取れているので、関連する店舗に誘導するよう公式アカウントからプッシュをするといった形を考えています。当然、LINE@で配信することも可能です。

先ほど弊社江田とサントリー様のセッションにもありましたが、誰がどの位置で何の情報を持っているかというデータ抽出をしながら、O2Oプラットフォームとして成長するという形が、LINEショッピングの目指す姿となっていす。

 

以上ですが、今、LINEデリマとLINEショッピングがものすごく伸びていて人も足りません。募集もしますので、誰かしらコマースに興味がある方がいらっしゃいましたら、ご紹介いただけると幸いです。ご清聴ありがとうございました。

参考

 

 

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