セミナーレポート

LINE CX SUMMIT 2018レポート(後編)〜クロージングセッション: 顧客対応を変えるLINEカスタマーコネクト活用術〜

7月11日に開催されたLINE CX Summit 2018のクロージングセッションでは、実際にLINE カスタマーコネクトを活用する企業3社に登壇いただき、Auto Replyとチャットボットとの連携やLINE to CALLなど、4つの機能の実用例と導入の背景、そして今後の展望などについてのトークセッションを行いました。

※LINE CX SUMMIT 2018レポート(前編)はこちら

従来は、メールや電話でのやり取りが多かったカスタマーサポートですが、LINE カスタマーコネクトを導入したことで、各社がどのようにカスタマーエクスペリエンスの向上を図っているのかを伺っていきましょう。

◆登壇者 (*各登壇者の所属会社名・部署名は、7月11日時点のものです)
アスクル株式会社
カスタマーサービス本部 カスタマーサービス&エンゲージメント 統括部長 蛯原一朗氏
コネクトデスクマネージャー 横田香菜子氏

株式会社バッファロー
品質・技術部 CS課長 嶋田豊秋氏、CS課市場サポート係 八釼麻里氏

株式会社ベネッセコーポレーション
営業基盤本部 顧客サービス部長 境和輝氏

LINE株式会社
コーポレートビジネスグループ カスタマーサクセス室長 飯塚順也

◆コーディネーター
LINE株式会社
AD事業室 AD事業マーケティング&テクニカルアシスタンスチーム 垣内隆志

垣内)
まず初めにアスクル株式会社(以下、アスクル)さんからご紹介いたします。アスクルさんは、「LOHACOマナミさん」というアカウントを使用されていますが、こちらはチャットボットと有人チャットのサポートで運用されています。キャラクターが非常に立っているサポートですが、実際はどいうったシステムを使っているのか、現状の構成をご紹介いただけますでしょうか。

横田)
現在、LOHACOマナミさんでは、Auto ReplyやAIが自動回答する部分はVirtual Agentを、有人対応する部分についてはM-Talkを利用しています。もともとは、Virtual Agentと有人対応のM-Talkとを切り替えるのにLINE カスタマーコネクトを利用していましたが、オリジナルでスタンプを使いたいという希望や、現在進めている基幹システムとの連携をするために、LINE ビジネスコネクトにオプションでカスタマーコネクトを繋ぐというシステム構成になっています。

垣内)
Virtual Agentは、Watsonをベースにした、りらいあコミュニケーションズさんのサービスでして、M-Talkはアルファコムさんのチャットツールです。これらを上手に切り替えながらカスタマーサポートで活用いただいているという状況ですね。

次に、株式会社ベネッセコーポレーション(以下、ベネッセ)の境さんお願いします。ベネッセさんは公式アカウントにカスタマーコネクトを繋げた形で利用されています。使用機能は、Auto ReplyとManual Reply、CALL to LINEでして、非常に上手く使い込まれている事例だと思います。

境)
弊社では、進研ゼミ小学講座で導入しておりまして、そもそもは進研ゼミの公式アカウントでの広告配信に、それを顧客ターンに使えるようにと、まずはAuto Reply、AIではBEDOREさんを導入し、それからManual Reply、そしてCALL to LINEではPBX一体型のPureConnectを導入する形で進めています。

垣内)
多機能でとても先駆的な事例だと思います。次は、株式会社バッファロー(以下、バッファロー)さんです。バッファローさんは、基本的にカスタマーサポートで、特にテクニカル系のサポートに的を絞って活用されています。無線LAN機器のサポートをメインにしているアカウントですね。

嶋田)
バッファローのシステム構成は、基本的にwebとLINEのチャットになっていまして、システムはベルシステム24さんのWebsを使ってチャット対応をしています。また、近日中にジェネシスさんのPureCloudを使ったCALL to LINEを開始いたします。
垣内)
ありがとうございます。では、これからフリーディスカッションへと移ります。

LINEスタンプで顧客との距離縮め、写真送付でやりとりを簡潔に

垣内)
まずは、LINE カスタマーコネクトを導入した感想をお聞きしたいと思うのですが、導入前と後では顧客体験はどのように変わりましたでしょうか。アスクルの横田さんお願いします。

横田)
これまでは電話とメールでお客様対応をしていました。大きく変わったと感じるのは、スタンプを利用できるという点です。かしこまった堅い話し方であったり、ややお客様と距離があるような対応が当たり前でしたが、LINEを導入したことで、スタンプを送るなど、距離の近いやり取りができるようになりました。クレームの問い合わせであっても、対応後はありがとうというスタンプをお客様からいただくこともあります。距離が縮まったというのは非常に実感しています。

垣内)
フレンドリーな対応ができるようになったため、お客様も問い合わせがしやすくなったと言えると思います。では、八釼さんはいかがでしょうか。

八釼)
弊社では、LINEとチャットのサポートを開始する前は電話とメールが主な問い合わせ手段でしたが、無線ルーターやWi-Fi機器の不具合での問い合わせがほとんどで、その状況で電話回線が繋がるまでお待たせするのがお客様にとって非常にストレスになっていたと思います。LINEを使っていただければ、待ち時間がなく担当者に繋げるのが一番大きなポイントになります。

垣内)
ありがとうございます。自宅のインターネットが繋がらない時は、スマートフォンで問い合わせをすると思うので、後ほど詳しくお聞きしますが、写真を活用したサポートも成功事例として捉えていいのではないかと思います。では、境さんはいかがでしょうか。

境)
小学講座なので、小学生の子どもを持つ母親からの問い合わせが多くなり、家事をしながらでしたり、子どもの面倒を見ながらの「ながら対応」になりがちです。電話は張り付いてやり取りしなければなりませんが、LINEでしたら、問い合わせをした後にしばらくスマートフォンを放置して、しばらくしてから画面を見るということもできます。そこが満足いただいているポイントではないでしょうか。

垣内)
ご登壇いただいている企業様の中で、LINE カスタマーコネクトがリリースされた時に導入いただいたのは、アスクルさんとバッファローさんです。ベネッセさんはLINE公式アカウントを先に持たれていましたが、問い合わせの内容はどのようなものだったのでしょうか。

境)
もともと広告配信ありきでしたので、友だち登録されたお客様もスタンプからの流入が多いのは確かです。ですので、最初に始めたのは、新規入会でした。入会にあたっての相談や心配事を問い合わせいただくというところから始めました。

垣内)
現状はいかがですか。

境)
現在は、既存会員からの問い合わせにも対応できるように広げていっています。

垣内)
オペレーターさんに関しては、これまでとは違うオペレーターに着信するのでしょうか。

境)
通常の電話窓口は、新規と既存とでは異なっていますが、LINEでは同じです。

垣内)
ありがとうございます。では次に、LINE カスタマーコネクトを導入した後、コンタクトセンターのオペレーションがどのように変わったのかをお聞きしたいと思います。横田さん、いかがでしょうか。

横田)
最初はやはりオペレーターの方々にも戸惑いがあったようです。こちらで、このような文章が良さそう、ですとか、このスタンプを使ってみてくださいなど、ある程度絞った形で選択肢を示してあげたことで次第に慣れてきました。オペレーターさんの中にはLINEの方が楽しいと言ってくださる方もいらっしゃいます。今後は、オペレーターさんのテレワークを拡大したいと考えていまして、その時も有人対応のチャット用パソコンがあれば業務に従事してもらえるような、新しいツールを弊社としても今後展開できるかと思っています。

垣内)
ありがとうございます。バッファローさんではどのようなリアクションがありましたか。

八釼)
弊社の実運用は、ベルシステム24さんにお任せしています。ただオペレーターの方々の負荷を軽減できていると感じています。無線LANやインターネットが繋がらないといった問い合わせでは、お客様の配線状況や製品のランプの点灯状況などを確認した上で、対処法を提案する必要があります。LINEを導入してからは、配線や点灯状況を写真で撮影してLINEで送ってもらうということが増えました。そのため、会話で状況を確認する手間が相当省けましたし、オペレーターから「ここの写真を撮ってください」とお願いして、お客様に写真をLINEに送ってもらうことで、状況把握が早くできるようになったと思います。

境)
八釼さんにお聞きしたいのですが、ちょうど弊社でも、これからLINEの対応自体をヘルプデスクといった部署でできないかと検討をしていまして、写真を撮っていただく時の指示で工夫されていることはありますか。弊社がまさに欲しい写真をお客様に撮ってもらえるとは限らないと思います。撮り直しをお願いすることもありますか。

八釼)
こちらからお願いする前に、お客様から「こんな状況です」や「エラー画面を写メします」といった感じですぐに写真を送っていただけるという流れになっています。

境)
説明する必要がないですから、便利ですね。

垣内)
実は、バッファローさんのように写真を送るといった事例は多いですね。某製造業のクライアントさんは、ほとんどのお客様が最初から写真付きで問い合わせをしてくると話していました。写真を使っていただくのは、LINEのカスタマーコネクトの大きな武器になりますし、スタンプではお客様とフレンドリーな応対ができるというのもメリットになると思います。

LINE導入後の運用と効率的な顧客対応のポイント

垣内)
では最後に、LINE カスタマーコネクトを導入する際にシステム面やオペレーション面でどのような考慮をしていたのかを、境さんから教えていただけますでしょうか。

境)
弊社は昨年秋に導入をしました。PureConnect、PBXと一体型で開発領域をなるべくショートカットできるようになど、基盤部分での連携を急ぐことができないかを検討しました。その後、基盤部分はできましたが、オペレーターさんの操作画面が実際にはどのようになるのかの把握が不十分でしたね。現在でも改善の余地があるので、今後導入を検討している企業の方々は、現場の運用面を導入前に検討した方がいいと思います。

嶋田)
弊社はテクニカルサポートが中心ですが、問い合わせ件数が日ごとや時間ごとで変わります。リアルタイムで対応しようとすると、余分な人員を配置するなどの弊害が出ないよう、状況がリアルタイムで分からないといけません。ですので、リアルタイムで状況が分かり、それに対応できるようなシステムに変えていきたいと思っています。

蛯原)
導入前に電話で応対していた人、メールで応対していた人など様々いるのですが、どちらかというと電話に出ていた人の方がチャットに向いているというパターンが見受けられるので、そこは得手不得手を見ながら人選を配置してオペレーションを回していました。

垣内)
新人の方がいきなりLINEのオペレーションに配置されるケースはあるのでしょうか。

蛯原)
ありません。基本的に電話やメール業務に従事した人が必ず配置されるようにしています。

垣内)
それは、豊富な知識から素早く回答する必要があるからでしょうか。

蛯原)
そうですね。チャットでやり取りしている以上、お客様への回答速度を上げないといけないので、経験がある人を配置しています。

垣内)
八釼さんはいかがでしょうか。業務改善する中で実際に注文を付けたというところはありますか。

八釼)
弊社もメール応対していたスタッフにLINEとチャットのサポートに入ってもらっていました。電話やメールとで大きく違う点は、同時に複数のお客様の応対ができる部分ですので、コスト面で大きくメリットがあると思っています。1時間に処理できる件数の目標値を決めていて、それを達成できるかどうかを定期的に確認しています。

垣内)
なるほど。差し支えなければ、CPH値はどのくらいなのかを教えていただけますか。

八釼)
問い合わせの数にもよりますが、電話では1時間に2〜3件のところが、その倍の5〜6件ほどは対応出来ているかと思います。

垣内)
優秀ですね。それは、お客様とのやり取りが写真の送付などでできることで、無駄な待ち時間などがカットされたということも要因の一つでしょうか。

八釼)
はい、そうだと思います。LINEではお客様の返答を待っている時間に別のお客様の対応が進められるというのが大きいと思います。

垣内)
ありがとうございます。では、最後に最近のトピックスや今後の展望を各社ご紹介いただければと思います。まずは、アスクルさんからお願いいたします。

横田)
第1弾のマナミさんもよりも日常使いがしやすい第2弾のスタンプをリリースしました。もっと多くのお客様に使っていただいて、よりマナミさんに親近感を抱いていただければと思います。

垣内)
ありがとうございます。では、続きましてバッファローさんお願いします。

八釼)
まだLINEを認知していただけていないお客様に認知をしてもらうことで電話の入電数を減らしていきたいと思います。今はManual Replyだけで有人だけの運用ですが、単純な問い合わせに対しては、Auto Replyも活用したいと考えています。

垣内)
では、最後にベネッセさんはいかがでしょうか。

境)
コールセンター領域とは異なりますが、マーケティング領域でLINEライブで動画の配信をしたことがありました。ライブ放送の横で、子育てに必要な情報や商品紹介をしていまして、お客様が疑問点を抱いたらすぐにManual Replyに繋がるようにして、コンバージョンに導くというサポートをしました。トライアルとして始めたので、これを総括して広げていければと思っています。

垣内)
ありがとうございました。それでは以上でパネルディスカッションを終了とさせていただきたいと思います。

飯塚)
登壇企業の皆様本日はありがとうございました。LINEを通じたカスタマーエクスぺリエンス向上への取り組みについて、多くの企業様にお話いただきましたが、LINE カスタマーコネクトのリデザインでは2つのことが重要になると考えています。

一つ目は、パートナーさまとのアライアンス、そして二つ目はカスタマーサクセスです。企業様のニーズに沿うように進化するため、より使いやすく、そしてユーザー様に負荷が少ないアプローチ方法になれたらと考えているのと、アカウントを開設していただいた企業様のアカウント運用のサポートといった、アドバイザリーも提供したいと思っています。また、ユーザー会と認証制度といったような各種カスタマーサポートを提供する上でのコミュニティもより推進していきたいと考えておりますので、このような取り組みを経て、カスタマーエクスペリエンスを進化させていければと思っています。

皆様本日はありがとうございました。

参考

RELATED ARTICLE 関連する記事

ブログ一覧に戻る